もう会えない君。
「あ、いや…別に?」
私は慌てて悠から視線を逸らしてグラウンドの方に向けた。
頬杖をしながら外を眺めていると私の机に一枚の紙が飛ばされた。
差出人は分からない。
私は辺りを見回した。
悠は机に顔を伏せているし、隼と私の席だと遠すぎる…。
だったら一体、誰が私にこの紙を送りつけてきたのだろうか?
そう思いながら折り畳まれたままの紙を開いた。
――隼くんに近付くな!
乱雑に書かれた言葉に目を疑った。
何度、読み返しても書いてる文字が変わる事はない。
…なにこれ。
入学して間もないのにどうやら私は女の子達を敵に回してしまったらしい。
この手紙は一種の警告に過ぎない。
まだ始まったばかりなのに…憂鬱さから溜息が零れ出た。