もう会えない君。
…隼と同じ、こげ茶色の髪色。
襟足が長めのストレートの髪型。
乱れた服装は悠と似ていた。
微かに漂う香水の香りがしつこくなくて落ち着く香りだった。
思い出せるのはここまで。
どんな顔で、どんな声なのかも分からない。
もう一度…
今朝の人に会えるかな?
自分でも分からない。
なぜ今朝の人の事をここまで考えるのか。
だけど会いたいと願わずには居られなかった。
それは隼の部屋から出てきたからなのかもしれない。
<キーンコーンカーンコーン>
昼休みの終わりを告げるチャイムが虚しく響いた。
私は溜息を零しながら教室へと足を進めた。