もう会えない君。
「あれ?もう帰んの?」
鞄を手に持つ私に悠が問い掛けてきたから私は頷いた。
すると悠も急いで鞄に荷物を詰めて帰る体制をとった。
「悠くんも帰るの?」
見れば分かる事を聞く私に悠は「悪い?」と笑いながら言い返した。
…だけど、どうやって帰ろうか。
「悠くん、」
「ん?」
「廊下で悠くんの事、待ってるみたいだよ?」
廊下には悠の姿を探してる女の子達の姿があった。
隼の机の周りには既に女の子達の群れが出来ていて隼は抜け出せないでいた。
隼と悠の人気は凄かった。
視線を廊下から悠に移すと悠は面倒臭そうな表情を浮かべながら廊下に視線を送っていた。
「……凛、」
「何?」
「一つだけ頼みがある」
「頼み?」
「あぁ。彼女の“フリ”をしてほしい」
「……えっ」