チューリップの王子様
side:グレイ



「母様…カノンを勝手に拉致らないで下さい」


カノンが着替える為に出ていった部屋で母様と話す


「いいじゃない。少しくらい母様に貸してくれたって。本当…グレイったら、カノンちゃんにベッタリなんだから」


っと言われて否定は出来ない俺


「でも、カノンちゃんのドレス姿。可愛かったでしょ?…見惚れるくらい」

「…まぁ…うん」


まさか、扉を開けた向こうに、カノンがあんな姿で居るとは思わなかった

めちゃくちゃ可愛かった…
言葉を失うくらい…


「…ベタ惚れって、こーゆうことを言うのかしら…」

「…うるさい」


すべてを見透かした母様に、何も否定が出来ない俺は、小さく悪態をついて部屋を出た

これ以上居たら、俺が恥ずかしくなるだけだからな…

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