秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*
「お前ってほんとに…」
「ほんとになによぅ」
「別に?」
むっ。その顔は…! その顔はまた、バカとか言うわけ…!?
身構えて待っていたけど、かっくんは何も言わなかった。
きっと…! きっと心の中で言ったに違いない…!
「バカ」……と…!
「言ってほしいなら言ってやるけど」
「いやん」
「くくくっ…」
わ、笑うないっ。
そんなことより、急いで考えなくちゃ!
もうお兄ちゃんに言っちゃったもんなー。
なんか張り切ってどっか行っちゃったもんなー。
早くしないとなー…。
「…でもとりあえずお腹へったな」
ほら、腹が減っては戦は出来ぬとかなんとか言うじゃない?
まずはお昼ご飯お昼ご飯…。
部屋に戻って坂本さんに頼み、待つ間うんうん唸った。
「ふむ…。実は生き別れた双子とか言ってみるとか…」
「仮に上手くいったとして、それはそれで面倒なことになると思うよ」
「ではいっそ公言しちゃう…? かっくんはまおのだよ! …って…!」
「公言するとこが違うわよ」
「ならば仮面をかぶってお仕事を…」
「相当怪しいでそれ」
「……誰よ武藤真緒だなんて言いだしたの!」
そうよ元はといえばそこよ!
そんなこと言い出したの…は……。
「確か父様だった気がする」