パラレルライン



むかつく…

むかつく……



『すごかったよ』


って一言がなかなか言えない。

変なプライドが邪魔をして、
あたしは何も言えずにいた。

「そろそろ切り上げよーぜ!」

山崎の一言で放課後の
練習が終わった。




「手、離してよ」


あたしは肩に置かれていた
龍太郎の手を振り払った。


「わり」


「…」




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