何千年の夏休み


ベッドの横にある椅子に座り樹月を見つめる。


綺麗に染まっている地毛の茶髪からは白い髪の毛が何本か混じっていた。いまだ生死を彷徨っている彼はこの病院にとっては幽霊と一緒で皆に諦められている。


死ぬと宣告された私でも目を覚ましたのだから、彼でも目を覚ますんじゃないかって最初は医者も頑張ってたんだけど…流石に8年も経てば誰もが諦めるだろう。



だけど…


私は生きてる気がして今年もまた来てしまった。



「…すっかり大人になったね。」


再びそれが独り言になる。


髪もすっかり伸びて身長も伸びた。


植物状態というのだろうか、これを?


あんまり医学に詳しくないから分からないや…


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