君が笑える明日
いちごはヒロの顔をただ黙って見つめるだけだった。
「患者……」
ヒロが見る限り、いちごの具合が悪そうには見えない。
首を傾げると、いちごも真似をして首を傾げた。
「ところで、せっかく隣人になったんだし、名前を教えてもらえるかな?」
「あ、隣の部屋の岡島 裕之です。それから……」
太一の言葉を待ったが、そこに太一はいなかった。少し部屋を見回すと、キョロキョロと部屋を見て回っている。
「あの落ち着きのないやつが、一階に住んでる二宮 太一です」
ため息まじりに言うと、三波は笑った。
「そう。どうかよろしく」
「三波さんは医者ですか?」
「ああ。精神科医だよ。田舎から転勤して来たんだ」
精神科……。
ということはいちごは精神を病んでいるということだろうか。
顔に出さずに考えていたはずなのに、三波は悟ったように説明した。
「声がね、出ないんだよ。いちごは」
「患者……」
ヒロが見る限り、いちごの具合が悪そうには見えない。
首を傾げると、いちごも真似をして首を傾げた。
「ところで、せっかく隣人になったんだし、名前を教えてもらえるかな?」
「あ、隣の部屋の岡島 裕之です。それから……」
太一の言葉を待ったが、そこに太一はいなかった。少し部屋を見回すと、キョロキョロと部屋を見て回っている。
「あの落ち着きのないやつが、一階に住んでる二宮 太一です」
ため息まじりに言うと、三波は笑った。
「そう。どうかよろしく」
「三波さんは医者ですか?」
「ああ。精神科医だよ。田舎から転勤して来たんだ」
精神科……。
ということはいちごは精神を病んでいるということだろうか。
顔に出さずに考えていたはずなのに、三波は悟ったように説明した。
「声がね、出ないんだよ。いちごは」