ラヴァーズ・インザ・ダストボックス
僕たちが行く先々には、道しるべが在るのかもしれない。

見えないけど。

僕には見えないけど。

そしてそれは、いくつも在って。

いくつにも分かれていて。

右にも左にも、上にも下にも。

そこかしこに在って。

安全な方向とか、危険だらけとか。

安定な方向とか、不安だらけとか。


今、僕は何処にいる?


彼女と違う道を選んだ僕は、これから何処へ? 僕は何処へ?


目の前の生活と言う現実の前に夢は霞んで消えていった。

「人生ってさ」なんて、酒を飲みながら語ってみたり。

「あとはただ年を取るだけなんだぜ」って、そうのたまうんだ。


諦めた訳だ。


僕に残された時間はただ死を待つだけ。

ご老人と同じ。

それはご老人に失礼かな?


これって、きっと海に沈む様なものだと思う。

底に行き着くのを待っているんだ。
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