この世界は残酷なほど美しい
床に倒れる野中を見下ろす。
野中は頬に手を当ててさらに僕を睨んだ。
「てめぇ…」
「僕はキミみたいに恋愛イコール経験人数なんて、そんな頭の悪い考え方してないから。僕が告白をすべて断るのは相手に失礼だと思っているだけ。好きでもないのに付き合って相手を更に傷つけるのなら僕はそうしたくない。それに…」
シーンと静まりかえる教室。
そこに加わるチャイムの音。
一秒ごとに何か違う音が加わっていく。
そんな不思議な世界に僕たちは生きている。
遠くから足音が聞こえてくる。きっと先生だろう。
この騒ぎを聞き付けて焦ってこちらに向かってきているはずだ。
言葉の続きを言おうか。
「僕が思ってる恋愛というのはどれほどその人を深く愛せたか、だから。キミにはきっと分からないんじゃないかな。」
そう言い終わり教室を出ようと後ろを振り向くと小さく笑った蓮がいた。
きっと花音に言われて駆けつけたのだろう。
僕はへへっと笑い蓮を見た。
そして教室にやってきた先生に連行され職員室に足を踏み入れた。