この世界は残酷なほど美しい
授業が始まっているせいか、職員室は不気味なほど静かだった。
揺れるカーテンの隙間から覗く温かい空気が何だか心地が良かった。
担任の沢村先生のデスクは窓際の端だった。
デスクの配置を意味するのは学年主任ということ。
そして沢村先生は親父の恩師だった。
「どうしたんだよ、流星。お前がこんなことするなんて初めてなんじゃないのか?何かあったか?」
沢村先生に誘導され、俺はパイプ椅子に座った。
野中を殴った右手がまだ拳を作っている。
それをじっと見つめて先生の質問に答えた。
「自分でも分からない。気づいたら殴ってた。処分ならちゃんと受け止めるから。」
「…言いたくないなら別に無理して言わなくていい。だけどもうお前は18歳なんだ。自分がやったことに責任を持て。」
「……責任…。」
何だよ…責任って。
分かんないよ、小さな脳みそじゃ足りないよ。
「お前の親父の雅はちゃんと自分の意志を持ってたぞ」
あぁ、まただ。