この世界は残酷なほど美しい
写真集の中に母さんを見つけた。
学生時代の母さん。
妊婦時の母さん。
出産時の母さん。
僕を抱く母さん。
レンズ越しの父さんに優しく微笑む母さん。
僕にミルクをあげる母さん。
病室の窓から寂しそうに空を見上げる母さん。
そこにはたくさんの母さんが詰まっていて、一枚一枚の写真の中でちゃんと母さんは生きていた。
そしてそんな母さんを大事そうに撮る父さんの姿が想像できた。
僕は父さんみたいにこんなにも人を強く愛せないよ。
だって僕がまだ半人前だから。もう少し待って。
もう少ししたら胸を張って人を愛せると思うから。
涙をまた流す。
生きていたときの母さんの記憶とその写真が照らし合わさっていく。
僕の記憶の中の母さんと写真の中の母さんは本当に美しかった。
ありがとう、ありがとう。
僕は、生きていくよ。