優しく降る恋



見てしまえば悲しいとわかっても、目の前を通り過ぎる雫を見ずにはいられなくて。


自分自身に指を差して笑ってしまいたいほど、相手を大切に思う虚しさが苦しくて。












そんな恋をする君ごと


途方もなく愛しい、と


涙が出そうだった。











『俺、そんな大胆な告白初めて』


「...なんか今更、恥ずかしい」







『ふふ。

じゃー...えっと、

まずは一緒に帰ろっか?』







暗くなり始めた教室の窓からは、雨の中二つの色が重なって見えた。









次の日の朝、机の上に置きっぱなしになった課題を見つけられ先生には耳にタコが出来るほど怒られたとか。









End.









< 10 / 10 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:6

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

白というイロ。
泉月/著

総文字数/5,185

恋愛(純愛)10ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
彼は、白い部屋が似合う男だった。 それでいて、白に染まらない不思議なひとだった。 「安部さん、今日も来たの?」 「うん、横山くんってばすぐ寂しがるから」 適当にあしらって、パイプ椅子に腰かければ。彼は考え込むように顎に左手をやる仕草を見せつけ、また言葉を並べるのだろう。 「えー、そうかな。、、、そうでもないと思う」 「わかったから。私が君に会いたかった、これでいい?」 「うん、それなら。それに僕も安部さんに会いたいと思ってたしね」 只の男子中学生の癖に、それは随分と綺麗な笑顔だった。
言えない愛と小さな世界。
泉月/著

総文字数/8,812

恋愛(キケン・ダーク)24ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
...初めは、きっともっと シンプルだったはずなのに。 「言えない愛なんて、何になる?」 「.......」 ―――ドウシテ...。 逃げることだけが、 守ることだと勘違いして。 偽ることが、 正解なんだと言い聞かせた。 隠された小さなこの世界、 ――――真実なんてもの、知ってるのは私だけでいい。 ××××××××××× 濃い苦味は、 いつしか甘味をおびる nanaki∞ruri ××××××××××× ――意気地無しの言い訳と、 言われればそれまでで。 だけど、独り言としてなら 呟くくらい許されるだろうか。 〝この世界は、伝えれるほどに簡単じゃない〟
言わずもがな。
泉月/著

総文字数/3,990

恋愛(その他)7ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
『佐原くんといると、楽だよ』 「...ふぅん」 君は、無邪気に随分と残酷な言葉を 俺に投げるから。 それに、頷けるわけがないのに 俺は微かに笑った。 だって、そんなの。 言わずもがな、君が好きだからに 決まってる。 ×××××××××××

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop