優しく降る恋
見てしまえば悲しいとわかっても、目の前を通り過ぎる雫を見ずにはいられなくて。
自分自身に指を差して笑ってしまいたいほど、相手を大切に思う虚しさが苦しくて。
そんな恋をする君ごと
途方もなく愛しい、と
涙が出そうだった。
『俺、そんな大胆な告白初めて』
「...なんか今更、恥ずかしい」
『ふふ。
じゃー...えっと、
まずは一緒に帰ろっか?』
暗くなり始めた教室の窓からは、雨の中二つの色が重なって見えた。
次の日の朝、机の上に置きっぱなしになった課題を見つけられ先生には耳にタコが出来るほど怒られたとか。
End.
