引っ込み思案な恋心。-2nd
「よっしゃー、気合い入れてくぞー!」
「「「おーーっ!」」」
入場門付近にいつものむかでのメンバーが集まって円陣を組んだ後、副担任の先生が私達の所にやってきた。
「みんな、今日はよろしくね。足引っ張らないように頑張るわね」
「あー、もー、先生が来ただけで元気100倍!」
「バカ言ってないで並ぶよ」
先生の登場でまた男子達が嬉しそうにしてたけど、映美佳はそれを一べつして列に並んだ。
私も映美佳に続く。
ああ…
すごくドキドキする。
練習通りにやれば大丈夫…だよね。
私は少し深呼吸をして、気持ちを落ち着かせながら入場門の前で待機した。
そしていよいよグラウンド内へ入場し、私達は紐で自らの足を結んだ。
「柚、大丈夫?次だよ。瀬川も見てるんだから、頑張るよ」
「ちょ…っ、こんな時に拓の名前出さないでよ。余計に緊張する……」
「あれ?うちのクラスの所に瀬川がいるじゃん。もしかして…わざわざ柚のコト応援しに来たのかな?」
「ええーーっ!余計な情報言わないでよ、映美佳!」
更に緊張が増してしまうので見ないでおこうと思ったんだけど、映美佳の言ったことがやっぱり気になって、チラリとうちのクラスの応援テントを見た。
するとそこには、テントの前の方を陣取って、倉本くんとあゆと3人で話し込んでいる拓がいた。
しかもわざわざ頭のハチマキまで取って、うちのクラスに紛れ込もうとしてるのがバレバレなんだけど。。。