『霊魔伝』其の壱 木の章
そう言いながら、彩花がドアを開けた。
零次朗が帰ってきたことを知っていたらしい。
「彩花、頼みがある。インターネットで、調べてもらいたいことがあるんだ。
俺の高校の事と田嶋理恵子という生徒のこと。もしかしたら、何か情報があるかも知れない。」
「えっ、もう寝ようと思っていたのに。何でそんなことを調べるのよ。それにいつまで調べればいいの。」
「明日の朝まで。頼むよ。知っているだろう、俺がパソコンとか苦手なの。」
「じゃあ、代わりに何をしてくれるの。
そうだ、今度の日曜日見たい映画があるの。連れて行って。」
「映画か、わかった。その代わり、明日まで頼むぞ。
それと、これから出かけるけど、母さんには内緒な。」
「また、あの変な屋敷に行くのね。やめたほうがいいわよ。
あそこのオジサン、気味が悪いわ。」
「じゃあ、頼んだぞ。」
零次朗は彩花に手を振って階段を降りた。
そして、印を結んで呪文を唱えた。
隠形印と呼ばれるこの印は、忍者などが良く用いた印である。
「オン・アニチヤ・マリシエイ・ソワカ」
家を出た零次朗は、丘の上に立つ大きな屋敷に向かった。
古い西洋館で、近所の小学生の間では幽霊屋敷と呼ばれている。
家から歩いて五分ほどでついた。門の脇にある呼び鈴のボタンを押した。
この屋敷の使用人である小柄な老人がやってきて、門を開けてくれた。
「旦那様がお待ちです。どうぞ、お入りください。」
老人は零次朗を招き入れると、門を閉めた。老人の後に続き、屋敷にはいると、書斎で待つように言われた。零次朗は書棚に並んだ本を眺めた。
古い本が並んでいる。洋書もあれば、日本の古文書のようなボロボロの本もある。
間もなくこの屋敷の主人である国安剛毅が入ってきた。
「やあ、零次朗君。今日あたり来るだろうと思っていましたよ。」
「夜分遅くすいません。でも、どうしたらよいのかわからなくて、国安先生の助言を貰いたくて。時間がないのです。」
「事情を聞きましょう。そこの椅子に座りなさい。」
零次朗は椅子に座り、話し始めた。
国安は頷きながら来ていた。
途中でパイプに火を付け、ふかした際に出た煙に目を細めた。
零次朗の話が終わると、国安が静かに口を開いた。
零次朗が帰ってきたことを知っていたらしい。
「彩花、頼みがある。インターネットで、調べてもらいたいことがあるんだ。
俺の高校の事と田嶋理恵子という生徒のこと。もしかしたら、何か情報があるかも知れない。」
「えっ、もう寝ようと思っていたのに。何でそんなことを調べるのよ。それにいつまで調べればいいの。」
「明日の朝まで。頼むよ。知っているだろう、俺がパソコンとか苦手なの。」
「じゃあ、代わりに何をしてくれるの。
そうだ、今度の日曜日見たい映画があるの。連れて行って。」
「映画か、わかった。その代わり、明日まで頼むぞ。
それと、これから出かけるけど、母さんには内緒な。」
「また、あの変な屋敷に行くのね。やめたほうがいいわよ。
あそこのオジサン、気味が悪いわ。」
「じゃあ、頼んだぞ。」
零次朗は彩花に手を振って階段を降りた。
そして、印を結んで呪文を唱えた。
隠形印と呼ばれるこの印は、忍者などが良く用いた印である。
「オン・アニチヤ・マリシエイ・ソワカ」
家を出た零次朗は、丘の上に立つ大きな屋敷に向かった。
古い西洋館で、近所の小学生の間では幽霊屋敷と呼ばれている。
家から歩いて五分ほどでついた。門の脇にある呼び鈴のボタンを押した。
この屋敷の使用人である小柄な老人がやってきて、門を開けてくれた。
「旦那様がお待ちです。どうぞ、お入りください。」
老人は零次朗を招き入れると、門を閉めた。老人の後に続き、屋敷にはいると、書斎で待つように言われた。零次朗は書棚に並んだ本を眺めた。
古い本が並んでいる。洋書もあれば、日本の古文書のようなボロボロの本もある。
間もなくこの屋敷の主人である国安剛毅が入ってきた。
「やあ、零次朗君。今日あたり来るだろうと思っていましたよ。」
「夜分遅くすいません。でも、どうしたらよいのかわからなくて、国安先生の助言を貰いたくて。時間がないのです。」
「事情を聞きましょう。そこの椅子に座りなさい。」
零次朗は椅子に座り、話し始めた。
国安は頷きながら来ていた。
途中でパイプに火を付け、ふかした際に出た煙に目を細めた。
零次朗の話が終わると、国安が静かに口を開いた。