『霊魔伝』其の壱 木の章
「それは波動の強さを比較しなければ、何とも言えないですね。小太郎の波動を正式に測ったこともないし。ですが、負けると言うことは、相手にエネルギーを打ち消されるか、吸収されるかのどちらかでしょう。」
「それはどういうことですか。」
零次朗は国安の言う物理的な説明がよくわからなかった。
「そうですね。簡単に言えば、火と水を考えてください。火が強ければ、水は沸騰し、蒸発して水ではなくなってしまいます。水が強ければ、火が消えてしまいます。」
「では、もし小太郎が負ければ、蒸発してしまうと言うことですか。」
「その可能性もあるし、飲み込まれて相手の一部になってしまうかも知れない。」
《心配するな、零次朗。》
いつの間にか小太郎が書斎に入ってきていた。
「小太郎、今の話聞いていたのか。」
《ああ、聞いた。けれどそれは霊魔なら皆知っているし、宿命なのだ。もし戦わなくてはならないのなら、俺は戦う。》
「小太郎、君なら蛇の霊魔の居所が捜せるだろう。」
国安が霊魔を見る装置を小太郎に向けている。
装置からは小太郎の声が聞こえてくる。
《国安先生、俺なら霊魔の波動を感じることができるから、居所がわかるかも知れない。》
小太郎は国安の前に進んで言った。零次朗は小太郎を見つめていたが、椅子から立ち上がった。
「よし、小太郎。やるしかないな。塩原先生を助けなくちゃ。国安先生、さっき言った神社にある物って何ですか。武器になる物ですか。もし、必要なら取りに行かなければ。」
「覚悟が決まったのなら、神社に行きましょう。あそこの宮司は知り合いなんです。掛け合ってみましょうか、それを貸してくれるかどうか。」
零次朗たちは屋敷を出て神社に向かった。零次朗は時計を見ると、日付が変わって三十分過ぎたところだった。鳥居をくぐり、まずは社殿に参った。それから社務所に行き、戸を叩いた。
しばらくすると、欠伸をしながらボサボサ頭の宮司が現れた。
「こんな時間に誰だ、いったい。なんだ剛ちゃんか。どうしたの。」
「ちょっと頼みがあってね。こちらは小早川零次朗君。若いが私の友人だ。」
剛ちゃんと呼ばれた国安が零次朗を紹介した。すると宮司が笑って言った。
「それはどういうことですか。」
零次朗は国安の言う物理的な説明がよくわからなかった。
「そうですね。簡単に言えば、火と水を考えてください。火が強ければ、水は沸騰し、蒸発して水ではなくなってしまいます。水が強ければ、火が消えてしまいます。」
「では、もし小太郎が負ければ、蒸発してしまうと言うことですか。」
「その可能性もあるし、飲み込まれて相手の一部になってしまうかも知れない。」
《心配するな、零次朗。》
いつの間にか小太郎が書斎に入ってきていた。
「小太郎、今の話聞いていたのか。」
《ああ、聞いた。けれどそれは霊魔なら皆知っているし、宿命なのだ。もし戦わなくてはならないのなら、俺は戦う。》
「小太郎、君なら蛇の霊魔の居所が捜せるだろう。」
国安が霊魔を見る装置を小太郎に向けている。
装置からは小太郎の声が聞こえてくる。
《国安先生、俺なら霊魔の波動を感じることができるから、居所がわかるかも知れない。》
小太郎は国安の前に進んで言った。零次朗は小太郎を見つめていたが、椅子から立ち上がった。
「よし、小太郎。やるしかないな。塩原先生を助けなくちゃ。国安先生、さっき言った神社にある物って何ですか。武器になる物ですか。もし、必要なら取りに行かなければ。」
「覚悟が決まったのなら、神社に行きましょう。あそこの宮司は知り合いなんです。掛け合ってみましょうか、それを貸してくれるかどうか。」
零次朗たちは屋敷を出て神社に向かった。零次朗は時計を見ると、日付が変わって三十分過ぎたところだった。鳥居をくぐり、まずは社殿に参った。それから社務所に行き、戸を叩いた。
しばらくすると、欠伸をしながらボサボサ頭の宮司が現れた。
「こんな時間に誰だ、いったい。なんだ剛ちゃんか。どうしたの。」
「ちょっと頼みがあってね。こちらは小早川零次朗君。若いが私の友人だ。」
剛ちゃんと呼ばれた国安が零次朗を紹介した。すると宮司が笑って言った。