『霊魔伝』其の壱 木の章
国安は地図を広げた。そこには赤いペンで四角に囲まれた箇所があった。
「何かわかるんですか、そのデータから。」
「はい、何かが地中を移動しているようなのです。それもすごく大きなエネルギーを持ったものが。」
「地中を移動するっていても、トンネルか何かあるんですか。」
「いえ、ありません。ただ、公園の下には雨水を貯める貯水槽があるのです。」
「貯水槽ですか。そこには入れるのですか。」
「点検のための通路があるようです。明日、許可を得て調査をします。」
「俺も連れて行ってください。」
零次朗は身を乗り出した。
「気象庁からも友人が専門チームを引き連れてきます。私もそのチームの一員なので、助手ということで一緒に行きましょうか。」
「お願いします。」
「それと錦部儒一郎と言う名に心当たりはありませんか。」
「錦部儒一郎ですか。いえ聞いたことがありません。」
「そうですか。もしかするとこの錦部という人物が重要なカギを握っているかも知れません。」
「どんな人物なのですか。」
国安は古い新聞の切り抜きを差し出した。ぼんやりとした顔写真と新興宗教の教祖行方不明との見出しがあった。記事自体は短いもので、信者数百人を抱える新興宗教団体『錦の会』の代表錦部儒一郎氏が失踪したとある。
「錦部儒一郎は、当局から要注意人物として注目されていました。国家転覆を謀ろうとしていた疑いがあったようです。事情聴取をしようかという矢先に逃亡したのです。」
「そんな危険人物が今回の件に関係があるのですか。」
零次朗には見当が付かなかった。
「実は『錦の会』のご神体は蛇なのです。しかも今回の発端となった蛇は、錦部が飼っていた蛇ではないかと思われます。というのも、里見家はその『錦の会』に入会していたようなのです。これをよく見てください。」
国安は先に出した写真と新聞の切り抜きを並べた。
「あれ、この松尾と錦部って雰囲気が似てませんか。」
新聞の切り抜きの写真はぼやけていたが、零次朗には同じ波長を感じた。
「実はこの二人は同一人物なのです。」
「でも、年齢とか違いますよ。」
「何かわかるんですか、そのデータから。」
「はい、何かが地中を移動しているようなのです。それもすごく大きなエネルギーを持ったものが。」
「地中を移動するっていても、トンネルか何かあるんですか。」
「いえ、ありません。ただ、公園の下には雨水を貯める貯水槽があるのです。」
「貯水槽ですか。そこには入れるのですか。」
「点検のための通路があるようです。明日、許可を得て調査をします。」
「俺も連れて行ってください。」
零次朗は身を乗り出した。
「気象庁からも友人が専門チームを引き連れてきます。私もそのチームの一員なので、助手ということで一緒に行きましょうか。」
「お願いします。」
「それと錦部儒一郎と言う名に心当たりはありませんか。」
「錦部儒一郎ですか。いえ聞いたことがありません。」
「そうですか。もしかするとこの錦部という人物が重要なカギを握っているかも知れません。」
「どんな人物なのですか。」
国安は古い新聞の切り抜きを差し出した。ぼんやりとした顔写真と新興宗教の教祖行方不明との見出しがあった。記事自体は短いもので、信者数百人を抱える新興宗教団体『錦の会』の代表錦部儒一郎氏が失踪したとある。
「錦部儒一郎は、当局から要注意人物として注目されていました。国家転覆を謀ろうとしていた疑いがあったようです。事情聴取をしようかという矢先に逃亡したのです。」
「そんな危険人物が今回の件に関係があるのですか。」
零次朗には見当が付かなかった。
「実は『錦の会』のご神体は蛇なのです。しかも今回の発端となった蛇は、錦部が飼っていた蛇ではないかと思われます。というのも、里見家はその『錦の会』に入会していたようなのです。これをよく見てください。」
国安は先に出した写真と新聞の切り抜きを並べた。
「あれ、この松尾と錦部って雰囲気が似てませんか。」
新聞の切り抜きの写真はぼやけていたが、零次朗には同じ波長を感じた。
「実はこの二人は同一人物なのです。」
「でも、年齢とか違いますよ。」