『霊魔伝』其の壱 木の章
《零次朗殿、行きますぞ。》
不動龍王刀を握る手に、力が入った。揺らめいていた炎が激しく燃え上がり、その炎が九つに分かれた。零次朗も圧倒される霊気がほとばしっている。
《零次朗、もっと集中だ。》
「小太郎、龍太、行くぞ。」
零次朗は不動龍王刀を両手で握り、正面に構えた。すると九つに分かれていた炎がひとつにまとまった。
《今こそ、龍の力がひとつになった。零次朗殿行きますぞ。》
零次朗は不動龍王刀を向かってくる錦部に振り下ろした。不動龍王刀の炎が錦部の身体に到達しようかという瞬間、錦部の身体が破裂した。激しい空気の振動が伝わってきた。
「やったのか。」
零次朗は状況が掴めなかった。
《いや、奴は逃げた。闇の世界へ》
小太郎が剣を収めながら言った。
《錦部という人間の身体が、膨れあがる霊気に持たなかっただけじゃ。だからこそ、奴は零次朗殿が欲しかったのだ。》
「とにかく、一旦外に出よう。龍太ありがとう。」
《いや、また何時でも呼んでくだされ。》
不動龍王刀は零次朗の胸の中へ消えて、痣が龍から炎の形に戻った。
零次朗は出口へと向かった。
地上に戻ると、普段通りの公園に戻っていた。集まっていた霊魔たちもどこかへ消えていた。国安が関口たちを介抱していた。遠くでサイレンの音がしていた。
騒ぎに気が付いた誰かが、警察に通報したようだ。次第に近づいてくる。
「零次朗君、大丈夫だったか。良かった無事で。」
「先生、一応はケリが付いたようです。」
「そうですか、地磁気の変動も収まったようですし、関口君たちも意識を取り戻し始めています。」
サイレンの音が近くまで来ている。野次馬も集まり始めた。
「零次朗君、君は帰りなさい。あとは私が始末しておきます。」
「わかりました。あとのことは宜しくお願いします。」
家のことも永田百合のことも心配だった。国安の言葉に甘えて、帰ることにした。
不動龍王刀を握る手に、力が入った。揺らめいていた炎が激しく燃え上がり、その炎が九つに分かれた。零次朗も圧倒される霊気がほとばしっている。
《零次朗、もっと集中だ。》
「小太郎、龍太、行くぞ。」
零次朗は不動龍王刀を両手で握り、正面に構えた。すると九つに分かれていた炎がひとつにまとまった。
《今こそ、龍の力がひとつになった。零次朗殿行きますぞ。》
零次朗は不動龍王刀を向かってくる錦部に振り下ろした。不動龍王刀の炎が錦部の身体に到達しようかという瞬間、錦部の身体が破裂した。激しい空気の振動が伝わってきた。
「やったのか。」
零次朗は状況が掴めなかった。
《いや、奴は逃げた。闇の世界へ》
小太郎が剣を収めながら言った。
《錦部という人間の身体が、膨れあがる霊気に持たなかっただけじゃ。だからこそ、奴は零次朗殿が欲しかったのだ。》
「とにかく、一旦外に出よう。龍太ありがとう。」
《いや、また何時でも呼んでくだされ。》
不動龍王刀は零次朗の胸の中へ消えて、痣が龍から炎の形に戻った。
零次朗は出口へと向かった。
地上に戻ると、普段通りの公園に戻っていた。集まっていた霊魔たちもどこかへ消えていた。国安が関口たちを介抱していた。遠くでサイレンの音がしていた。
騒ぎに気が付いた誰かが、警察に通報したようだ。次第に近づいてくる。
「零次朗君、大丈夫だったか。良かった無事で。」
「先生、一応はケリが付いたようです。」
「そうですか、地磁気の変動も収まったようですし、関口君たちも意識を取り戻し始めています。」
サイレンの音が近くまで来ている。野次馬も集まり始めた。
「零次朗君、君は帰りなさい。あとは私が始末しておきます。」
「わかりました。あとのことは宜しくお願いします。」
家のことも永田百合のことも心配だった。国安の言葉に甘えて、帰ることにした。