永遠の約束-聖母の涙-





 とにかく、この状況をなんとか打破しなくては………。


 だけど、陰陽道が全く利かないとなるとどうすることもできない。





 能力にはそれぞれの管轄がある。


 陰陽道を生業にしている深青からしたら、そこで最高地位に居たとしても、他の術を使われてしまうとどれだけ強い力を持っていたとしても意味をなさない。


 全く歯が立たないというわけではない。


 そのために、幅広い知識を幼い頃から学んできた。それなりの対処法も心得ている。


 だけど、だからこそ、深青は自分の心を落ち着かせる。


 今までの自分と異なる術を使う者に出会うものなどなかった。


 だから、頭の奥深くに眠らせられた記憶。


 その記憶を掘り起こすためにも、深青は冷静になるしかなかった。


「この陣形………」





 確かに見たことがある。


 文字配列や紋章などから見て、西洋魔術であることには違いない。


 だけど、この陣が何を指しているのかがさっぱりわからない。





 思い出すのよ、私………。

 いつ見た?





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