永遠の約束-聖母の涙-
頭の中にある記憶の泉を掘り起こすように、深青は意識を集中させた。
早くこの状況を打破しないと、いつ攻撃を受けるかわからない。
もし、攻撃を受ければ、防御かかわすことが精一杯になる。
それどころか、自分の力が効かない西洋魔術となると、下手をするとかわせるかも微妙なところだ。
このまま攻撃を受け、今ここで滅せられるのか………。
最悪な考えが深青の脳裏を過ぎった。
「………私は…!
こんなところで今、死ぬわけにはいかない!!!」
これから先に起こる未来。
それを防ぐべく、自分は今を生きている!
脳裏に浮かんだ一人の少年の姿を噛み締め、深青はギュッと瞳を閉じた。
集中力が高まった深青の記憶の泉から一つの知識が導き出される。
「思い出した!
これは………!!!」
対処する術が頭に浮かび上がったと同時に、深青は瞬時に印を作ためにすばやく指を動かしていく。
この印を講じれば、なんとかこの戒めを解くことだけはできるはず!
根本的な対処法とは言えないが、この現状を打破することはできる。
それだけでも、今のこの最悪な状況を打破できることにはなる。
「あと、もう少し……」
どうか、それまでは敵の攻撃がないように………。
印を組み終わるまでに、何の攻撃も来ないことを、深青は切に願った。