永遠の約束-聖母の涙-
「さあ! 医務室に行きましょう!」
内心ではそう思っていた深青だけど、あまりの真理亜の落ち着きのない姿に、ただ言われたままに医務室へと引き連れられていった。
「なんか、これしきの傷でわざわざ治療を受けに行くのは、恥ずかしいんですけど―――…」
「何を言ってるんですか!
これもれっきとした治療を受けるに値する怪我ですよ」
強く腕を真理亜に引っ張られながら、深青は「ハァ…」と、小さく溜息を吐いた。
これしきのことで、わざわざ一般高校では保健室と呼ばれる場所である医務室へと行くと、保健医にすぐに追い返されそうな気がするけど………
そんな深青の心配を余所に、真理亜は丁寧に医務室をノックすると「失礼します」と一礼して入っていった。
「あら、いらっしゃい」
「え…? あれ?」
迎え入れてくれたその顔に見覚えのある深青は思わず真理亜を見た。
だけど、その真理亜も目をぱちくりとさせていた。