永遠の約束-聖母の涙-
「お、お姉さま!?
どうして、お姉さまが?」
「うふふ。驚いた?」
「驚いた?って…。
そりゃ、もう、驚きました!」
「そういう私だって驚いたわよ。
まさか、あなたたちが来るなんて………」
「あ、それは、深青さんが怪我をされていて……」
「えぇ…!?」
キュッと眉を寄せ、心配そうに見られ、深青は戸惑う。
そんな風に言われても、それこそかすり傷とも言えないほどの小さな傷。
それなのに、この真理亜の言い方だとかなりの大怪我をしているようにも聞き取れた。
なんとなく、バツの悪い深青。
「あの、大した傷では…」
慌てて否定するものの、友恵は自分が座っていた車椅子の車輪を手で器用に動かすと深青のほうへと近づいてきた。
「でも、顔に傷ができているわ。
もし、痕が残りでもしたら大変だわ。
軽く消毒をしておきましょう」
「は、はぁ……」
さすが、姉妹。
同じことを友恵からも言われてしまい、『これほどの傷で痕が残ると思わないのだが…』と、心の中で突っ込んでしまった。