永遠の約束-聖母の涙-
「姉の体調は、そんなによくないんですか?」
「ええ…。
でも、実のところ私にもよくわからないの。
だから、こうはっきりと言い切っていいのかもわからないのよ。
ただ、半年ほど前からかしら。
彼女がよくここに来るようになったの。
一度目は、私が校内で倒れているのを発見してここに運び込んだの。
それから、気になりだしてここに来るようにほぼ強制的に言ったから。
もしかしたら、私が気づくずっと前から、体調の思わしくない日は出ていたのかもしれないわね」
「―――半年も前から……。
お姉さま、そんなこと一言だって……」
「あなたには言わないで欲しいと私も口止めされたわ。
きっと、心配をかけたくなかったのよ」
優しく諭す村田。
だけど、その声は真理亜の耳には入ってはいなかった。
「お姉さま………。
私、お姉さまにもしものことがあったら………」
「真理亜さん………」
微かに震える真理亜の肩に、深青は気遣いそっと手を置いた。
すると、ゆっくりと顔を上げた真理亜は目を潤ませながら、深青に抱きついてきた。
「深青さん…。
私、不安で不安で………」
涙ぐむ真理亜。
そんな真理亜に深青はどう声をかければいいのかわからなかった。
だけど、それと一緒に一つ浮かんだ疑問。
義理の姉と妹。
それだけなのに、この真理亜の姿は、ただ姉を慕う妹の域を通り越していたように思えて仕方がなかった。