永遠の約束-聖母の涙-











     *











 あの後、落ち込む真理亜を宥めながら教室に帰り、なんとか一日が終わりを告げた。





 先ほど、迎えの車に真理亜を乗せ送り出したところだった。





 深青は橙と赤に染まった空を見上げ、息を一つ吐いた。





 村田から聞いたことが深青の脳裏を駆け巡る。


 あの後、村田は現在の友恵の状態を教えてくれた。


 半年ほど前からの友恵の体調不良。


 それが、ここ一ヶ月ほどで悪化していること。


 それが、足が不自由なことと関係しているのか、それはわからない。


 だけど、一度付き添って病院で検査を受けても、何が原因なのかもわからなかったと。


 そして、ここ一ヶ月ほどの体調悪化。


 真理亜が落ち込むのも無理はなかった。





 ただ、事件の調査をしにきただけだった。


 だから、人に深入りするつもりなんてなかった。


 ただ、流れの中で当たり障りのない程度に付き合う。


 いずれは、この学校からは居なくなる身。


 転校する時は、自分の存在を知られるわけには行かないため、何も告げずにこの学校を去る。


 それなのに―――…





 ここまで、真理亜と深く関わってしまうなど、深青としても想定外のことだった。


 そして、こんな話まで聞いてしまっては、もう何も知らないフリなんてできなかった。


「だからと言っても、私にも何もできない………」






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