永遠の約束-聖母の涙-
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あの後、落ち込む真理亜を宥めながら教室に帰り、なんとか一日が終わりを告げた。
先ほど、迎えの車に真理亜を乗せ送り出したところだった。
深青は橙と赤に染まった空を見上げ、息を一つ吐いた。
村田から聞いたことが深青の脳裏を駆け巡る。
あの後、村田は現在の友恵の状態を教えてくれた。
半年ほど前からの友恵の体調不良。
それが、ここ一ヶ月ほどで悪化していること。
それが、足が不自由なことと関係しているのか、それはわからない。
だけど、一度付き添って病院で検査を受けても、何が原因なのかもわからなかったと。
そして、ここ一ヶ月ほどの体調悪化。
真理亜が落ち込むのも無理はなかった。
ただ、事件の調査をしにきただけだった。
だから、人に深入りするつもりなんてなかった。
ただ、流れの中で当たり障りのない程度に付き合う。
いずれは、この学校からは居なくなる身。
転校する時は、自分の存在を知られるわけには行かないため、何も告げずにこの学校を去る。
それなのに―――…
ここまで、真理亜と深く関わってしまうなど、深青としても想定外のことだった。
そして、こんな話まで聞いてしまっては、もう何も知らないフリなんてできなかった。
「だからと言っても、私にも何もできない………」