永遠の約束-聖母の涙-
「捉えた!!!」
叫ぶや否や、深青はその場から走り出す。
校舎にはすでに誰の人影さえもなく、ただ深青の廊下を走る音だけが響く。
お嬢様学校でもある、この学校で廊下を全力疾走している生徒など深青ぐらいのもの。
こんな姿を教師に見られると、この学校の教師は卒倒するほど驚くかもしれない。
―――!!!
そう思っていた時、深青はハッと気づく。
どうして、すでに長い距離を走っているというのに、霊はおろか、誰の姿も見ないのだ?
すでに放課後。
この学校では、部活に入っている生徒は半分以下しかいず、学校に残っている生徒は少ない。
でも、それを考慮してもその半数以下の生徒はいるはず。
それに、教師も―――…。
それなのに、誰一人会わないというのはどういうことか?
まさかっ!?
気づいた時にはすでに遅すぎた。
「きゃあっ!?」
いきなり、それまでかけていた足に枷をかけられたような重みを感じたと同時に、深青は一歩も足を動かすことができなくなってしまった。
すぐさま、自分の足を見ると同時に、その答えを知る。
「しまった……」