KISS AND SAY GOOD-BYE
『全員が歌って踊れます。
英語の歌は、有名なスタンダード曲からハードロック系まで幅広く出来ます。
踊るのは、フォーメーションダンスからブレイクやロックダンス、アニメーションもパンクも踊れます。
後は、ショーの合間に日本語でのショートコントも可能です。』
【ほぉ~、そりゃあ楽しみですね。
うちには、お笑い芸人も沢山出演していますが、そんな彼等に対抗できますか!?】
『此方は、外国人あるあるなんかで、違った目線からのアプローチなんで、それを日本語で遣るとなかなかどうして面白いんですよ。』
【そうでしたか!
それで、オーディション参加者のプロフィール写真とか、映像とかございますか?】
と聞かれて、安川係長は新星MUSIC広報部が作成した、面白味の無いあの宣材写真ん取り出そうとしたので、すかさず
「失礼します。
どうぞこれを!」
と言って、俺が独自で作成した写真集の様なプロフィール写真を安川係長に手渡した。
『エッ!』
と、一瞬何か驚いたようだが、直ぐに落ち着いてそれを受け取り、小笠原支配人へ手渡した。
【ほぉ~、こりゃあ面白いですね!
色んな表情が見れる上に、それぞれのパーソナリティーも趣味も特技も分かるものですね。
手作りの割には良い物ですね。
実に分かりやすい!】
そこで俺はバッグの中からデジカメを取りだし、4インチ画面に以前撮影したフォーメーションダンスや一人一人が得意とするダンスを披露している動画を小笠原支配人に見せて、
「如何でしょうか?
どうか、オーディションに参加させて下さい。」
と言ってお辞儀した。
暫くの間、デジカメに写し出される彼等のダンスを、厳しい目で見ていたが急に笑顔になり、
【分かりました。
それでは、来月は2月7日の土曜日、午後1時迄に此方にお越しください。
この写真と動画を観て、とても彼らに興味がわいて来ました。
是非、こちらからもお願いします。】
と言って、オーディション参加申込書を渡された。
それを受け取り、一礼をしてショーパブを後にした。
歩いて数分のところに在るパーキング エリアまでの間、安川係長はただ黙って黙々と歩いていった。
事前清算を済ませてから、領収証の発行ボタンを押して、徐にその領収証を財布に仕舞って車に乗り込んだ。