KISS AND SAY GOOD-BYE





帰りの車の中、



『いつの間に撮影して、いつの間にオリジナルの宣材写真を完成させていたんだ?』



「実は、初日に頂いた宣材写真が、パスポート写真を拡大した様な物だし、表情も固いって言うか面白味も無かったので、これじゃあ売り込みに使うにはちょっとどうなんだろうと思って、翌日から皆にお願いして撮影させて貰いました。」



『よくもまぁ、こんな良い表情ばかり取れたね!』



「そりゃあもう、買収しましたから。」



『買収!?

どういう事だい!?』



「彼等とは、元々韓国に居るときに1度会ってましたから、向こうも覚えてくれてました。

日本へ来る際の荷造りも、私と滝本さんとで手伝ったんです。」



『そうだったんだ。』



「はい、そして、彼等が日本に遣ってきて9ヶ月以上経ってると言うことは、そろそろ恋しいんじゃ無いかと思いまして!

うちの実家のばあちゃんに頼んで、スンデやチョッパルやトラジナムルと言った、日本でも簡単に手に入りにくいけど、韓国人なら誰でも大好きな物をお昼ご飯を食べるときに出したんです。

そしたら、俺に分けてくれ、俺にも俺にもと集まってきて、分けてあげたら、とっても喜んでくれました。

それからは、名前を呼ぶときにも○○氏と言った固い呼び方じゃなく、○○ヒョンニム(兄さん)とか、○○ヒョン(兄貴)って呼んだら、カメラの前で凄く良い表情を出してくれるんですよ。

それをドンドンと……、そうですねぇ大体2000枚以上は撮影しました。

その中からの選りすぐりのファイルですから。」



『大したもんだ!

広報部にも言っとかないといけないな!

俺も前から思っていたけど、この宣材写真じゃあ売り込みに行くのは難しいもんな!』



「気付いていたなら、もっと早めに作成してくれてたら、2日間も徹夜しなくて済んだのに~!」



『ハハハ、すまんすまん!

こう言うことは、なかなか言いにくいんだよね!

特に広報部は、それでなくてもいつも忙しいじゃないか!

CMから報道陣対策、社内報から本社からの要請での事前の宣伝活動まで、それこそ仕事を増やすなと嫌味言われるのが関の山なんだよ。』



「確かに、何時行ってもバタバタしてますよね。

人材不足なんじゃ?」



『確かに、人手は足りてないよ。

あそこを23人で切り盛りしてるんだからね!

通常の芸能プロダクションなら、1人のタレントに3人の広報部スタッフが目安だから、うちだったら300人位は必要だってことだよ。』



「まぁ、流石にそこまでは必要無くても、せめて今の倍のスタッフ、大体50人は広報部に必要でしょうね!」



そして、新星MUSICに到着した俺達は、玄田課長の元へと向かった。


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