KISS AND SAY GOOD-BYE





『本当に社長は、番組フォーマットの件も、APとして現場の収録に入るのもOKしたんだな!?』



「はい、安川係長。

番組フォーマットよりも、仮に企画提案書が採用されたとして、留学生達がひまわりテレビの番組に毎週出演できて知名度が上がれば、いずれ大きなドル箱に化けてくれるかもしれないからな!って言ってました。

そしたら、目先の数千万の収入以上の物が新星MUSICに入ってくるから、ひまわりテレビの安西プロデューサーの提案を全て受け入れるそうです。

後は、私の企画提案書だけなんで、今から作成します。」



『そうか!

分かった!

それにしても、高校生の君がここまで遣ってくれるとはねぇ…。

こりゃあ俺達もノンビリしてらんねいな!

ところで、昼飯未だだろう!?

社員食堂に行くか!?』



「…すみません。

大丈夫です。」



『なんだ、どうしたんだね!?』



「実は、先程社長室で社長と一緒にNSフーズの仕出し弁当を食べてきました。」



『エェ~!

NSフーズの仕出し弁当を!?

俺でも未だ食ったことが無いのに……。』



「旨かったです。」



『そりゃあ旨いだろうよ。

通常、社長が食べている仕出し弁当は五千円はする特選仕出し弁当だからな!』



「五千円!?

道理で旨いと思ったんだ!」



『羨ましいなぁ、コノヤロウ!

何が入ってたんだ!?』



「今日の弁当は、金目の煮付けやアワビの黄金和え、車海老の天婦羅に岩牡蛎の酒蒸しが入ってました。」



『あぁ~あ、桧山君は良いなぁ~!』



「安川係長、子供みたいに拗ねないで下さいよ。

その代わり、今度美味しい韓国料理をご馳走しますから。」



『それなら私も呼んでくださいよ桧山君。』



「河野次長、目がギラギラしてますよ。

それこそ、今度この第3営業課の全員で、うちのお店で親睦会を遣りましょうよ。

滝本さんと一緒に12名で!

私が御馳走しますから。」



『全員分を奢っていたら、バイト代なんか直ぐに無くなっちゃうわよ。

そんな可哀想なことはさせられないから、私が幹事になって会費を集めといてあげるから。

玄田課長、何時にします!?』



『そうだな!

そう言えば、まだ桧山君と滝本さんの歓迎会もしてなかったから、明日にでもどうだ!?

夕方6時からで良いか!?』



「それじゃあ、明日の夕方6時から予約入れときますね。」



『久しぶりに梨泰院(イテウォン)で雪濃湯(ソルロンタン)が食べれる~!』



「滝本さんの大好物だもんなぁ~!」



『あら、滝本さんは良く桧山君の実家のお店で食事をしてたの?』



『はい、新星MUSICの企画開発室にいた時は、桧山君の実家の韓国料理を食べながら、いつも企画の構想を練ったり、企画書を書き上げたりしてました。』



『あなた達って、本当に高校生なの!?

話を聞いていたら、遣ってることはまるで会社員じゃないの!』



「ハハハ、勿論、試験勉強したり、イチャイチャしたりもしてましたよ。」



『もう、リュウ、何言ってんのよ!

恥ずかしいじゃない!』



「アッ、そっかぁ~♪」



第3営業課の中は、いつの間にか全員が笑顔になっていた。



皆で、社長から頂いたトックパイを食べながら、コーヒーブレイクも終わり、またそれぞれ自分の仕事を始め出した。



俺も、急いで企画提案書を作ることにした。



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