KISS AND SAY GOOD-BYE





『確か、韓国からの芸能留学生達の為の番組よね!?』



「はい、彼等がメジャーデビュー出来るように頑張っていきますので、何卒お力添えを!

そして、企画提案書を見る前に此方を御覧ください。」



と言って、以前作っておいた留学生達のプロフィールが一目で分かるオリジナルファイルを取り出した。



1冊の中にはB3サイズの写真が10枚入っている。



歌っている時の表情やダンスを踊っているときのスタイル、趣味の1シーンからファッションセンスが分かるものまで、色んな角度から写している。



1人1冊の10人分を皆にそれぞれ渡して、廻して見て行って貰った。



『これ全部桧山君が作ったの!?』



「はい、彼らの事をより解って貰いたくて私が撮影してファイリングしました。」



『上手に作ってるわね。

表情もなかなか良いわよ。

君って、カメラマンにも向いてるわよ。

例えば、この子は【あぁ、ピアノが弾けるんだなぁ~。】って分かるし、こっちの子は、【料理が趣味なんだ。】って感じで、一目で彼らの趣味や特技が分かるし、こんな表情も出来るんだって発見もあるから、起用してみる楽しみ迄出来ちゃうわね。』



「そう言って頂けると、徹夜して作ったかいがあります。」



『まぁ、徹夜して作ったの!?

会社のスタッフに頼めば良いものを!』



「しかし、いちいち頼んでいたら、時間も掛かるし、自分で出来る事は自分で納得しながら納得のいくものを作りたいので!」



『そっかぁ~。

桧山君はクリエイターとしての素質も有るのかもね。』



「ハハハ…。

それで、先程も社長からマネージメントじゃなくて広報部での仕事をなんて勧められそうになって、慌てたんですから!」



『そうなんだ。

高山社長が勧めるんなら、間違いなくクリエイティブ関係の仕事を遣らせても、間違いなくキッチリこなしていくんでしょうね!』



「買い被りすぎですよ!

そんなに器用じゃ無いですよ。」



『それで、彼等の事はファイルを見てある程度分かったわ!

その彼等がうちの局で、どんな事をやるのかしら!?』



「そうでしたね。

此方が企画提案書です。

目を通して下さい。」



と言って、俺が書き上げてきた企画提案書のコピーを全員に1部ずつ渡していった。



ひまわりテレビ第2制作部の全員が、黙々と企画提案書に目を通している。



時々、『う~ん!』とか、『ほぉ~!』とか言っている。



そして10分少々経った頃、



『良く頑張って、ここまで仕上げてきたわね。

誰かの意見とか助言は有ったの!?』



「はい、最初に企画提案書を書き上げて直ぐに社長に見せたんですが、その時は最後のストリートパフォーマンスの部分は入ってなかったんです。」



『へぇ、なるほどね!』



「そして社長に、これでも良いけど、少しだけもの足らない。って言われて、それでストリートパフォーマンスを付け足したって言うか、企画に組み込んだんです。」



『そうなんだぁ。

正解ね!

このストリートパフォーマンスが有るのと無いのでは、番組の内容としてはかなり違ってくるわよね。

面白いと思うわよ。

池内D、どう思う!?』



『発想が面白いって言うか、さっきのプロフィールファイルを見た時点では、アイドルとしての方向性で番組を進めると思ったから、1からラーメンを作るってところには驚かされたよ。

企画しても面白いと思うし、意外性としても申し分無いと思うよ。

ただ、俺としてはちょっと…。』



「やっぱり編集作業ですか!?」



『やっぱり君も気が付いていたか!』



「はい。

もし私がディレクターなら、ゾッとします。」



『それを俺に遣れって事なんだよな。』



「ハハハ…。

そうなりますか…。」



『バラエティー番組は、通常3~4台のカメラを回して、それを編集作業でカット割りや時間を決めていくんだけど、10人がそれぞれ役割分担が有ると、それだけカメラの数も増えるし、おまけにハンディ迄まわすと、一体どれだけの量のテープになるか、考えただけでもゾッとするよ。』



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