KISS AND SAY GOOD-BYE





その翌日には、池内主任と共にひまわりテレビへと挨拶に行き、2時間以上打ち合わせをしてから帰社した。



俺の持ち込み企画も始動し、毎日が忙しくも楽しい日々であったが、美華にしてみたら全くと言って良い程デートも出来ていないし、まともに顔すら見ていないのだから面白くない。



帰宅してから電話で話すくらいしか、会話も出来ないんだから機嫌が悪い事この上ない。



『リュウ、一体いつになったらデート出来るのよ!?』



「もう少し待ってくれ!

今が一番大変な時なんだよ。

留学生達だって、毎日が戦いだし、キチンとサポートしてないとダメな事くらい美華にも分かっているだろう!?」



『分かってるけど分かんない!

会えないから、バイト中もイライラしてミスばっかで、今日も河野次長に迷惑かけたし…。』



「明後日の日曜日には、何も予定入ってないから、留学生達は池内主任にお願いして、梅の木公園でも行くか?」



『行く行く!

梅の木公園でも松の木公園でも良いから、兎に角ユックリ一緒に居たい。』



「じゃあ明日、新星MUSICに行った時に、日曜日を休ませて貰う様に頼むから、美華も頑張って!

女子留学生達だって、再来週には此方の番組に出演が決まってるんだから、それまでに1曲歌って踊れるようにしとかないと!

初のオリジナル曲なんだから。」



『ちゃんと頑張ってサポートするよ。

任せて!』



「心強いねぇ!

お互い頑張ろうね!

じゃあ、また明日。」



電話を切ったら、既に深夜0時を回っていた。



俺は、社員でなく只のアルバイトなので、すんなり日曜日は休みをとれた。



池内主任が、俺の分も頑張って男子留学生の面倒を見ておくから心配するな!と言ってくれ、安川係長に報告して土曜日のバイトを確りラストまで遣ってから帰宅した。






翌朝、9時丁度に愛車のセイバーで美華を迎えに行き、梅の木公園へと遣ってきた。



梅の木公園、梅の木公園と言ってはいるが、小金井市にある梅の木公園ではなく、世田谷区代田にある羽根木公園の事を言っているのだ。



羽根木公園と言う呼び名よりも、小さい頃から沢山の梅の木が有るから梅の木公園って呼んでいたのがクセになっただけの事だ。



赤堤通り沿いにある、梅ヶ丘第1駐車場に愛車を停めたら、目の前の小高い丘が羽根木公園である。



この公園では、紅白の梅が併せて60種以上、650本の梅の木が見られるのだ。



園内は、2月初旬から3月初旬まで、せたがや梅まつりが開催されていて、日曜日の今日は凄い人だかりである。



梅の花が綺麗に咲きほこり、週末だから模擬店も出て賑わっている。



梅ヶ丘図書館の横を通り、美華と手を繋いでノンビリと歩いては梅の花を観て、綺麗!綺麗!と連発しながら丘の上をめざした。



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