空と海が交わるとき

そう叫んだ佐々木の瞳から、涙がポロポロと零れていく。




それを俺は、見ているしかできなかった。




「…あの日、俺は言ったよな?『俺の全部をやる。』って。」




あの日





例え嘘でも、俺と佐々木が付き合う事になったあの日





「その言葉通り、俺は行動してきた。手も繋ぐし、キスだってする。佐々木が望むなら、それ以上の事だってしてやるよ。


けど…。」




たった一つ





譲れないもの





「心だけは、佐々木にはあげられない。」






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