空と海が交わるとき



波の音が耳に入る。


莉子は只目を丸くしていた。



「えっ?」


やっと発した一言はそれだった。


「ずっと好きだった。けど、俺じゃ莉子を幸せに出来ないって思ってたから…諦めよう、って何度も自分に言い聞かせた。

けど、俺の隣に莉子が居ないなんてやっぱし考えられなくて…西脇と付き合ってるのは分かってる。けど、俺の気持ちだけは伝えたかった。」




言えた



俺のそばから、居なくなるその前に



ちゃんと、俺の気持ちを…



「…ちょっと待って、湊。」



答えはごめんだろうと思っていた俺は、莉子の意外な返答にすぐ反応できなかった。




「私…西脇君と付き合ってなんかないよ?」




< 199 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop