空と海が交わるとき
波の音が耳に入る。
莉子は只目を丸くしていた。
「えっ?」
やっと発した一言はそれだった。
「ずっと好きだった。けど、俺じゃ莉子を幸せに出来ないって思ってたから…諦めよう、って何度も自分に言い聞かせた。
けど、俺の隣に莉子が居ないなんてやっぱし考えられなくて…西脇と付き合ってるのは分かってる。けど、俺の気持ちだけは伝えたかった。」
言えた
俺のそばから、居なくなるその前に
ちゃんと、俺の気持ちを…
「…ちょっと待って、湊。」
答えはごめんだろうと思っていた俺は、莉子の意外な返答にすぐ反応できなかった。
「私…西脇君と付き合ってなんかないよ?」