ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
前田は同じようにコーヒーカップに口をつけた。

その瞬間、ナースコールが入り、すぐにカップを置いた。


「406号室…、またあのエロジジイかな…。じゃ。」

前田がナースステーションを出て行き、それを見送るかたちになった藤崎も外科病棟の方へ戻った。


「病気への意識…覚悟か…。二人とも頑張れよ…。」

藤崎の独り言は、意外と廊下に響いていた。

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