眠り王子×無関心姫②【完結】
涙がたまったその顔は、一言で表せば美人。
まあ襲われそうになるのもうなずけるっていうか…
あたしはてっきり助けを求められると思った。
…でも楊杞は。
助けは求めず。
ただ一つ。涙を流した。
ああ。助けてあげなきゃ。
そんなこと、普段のあたしだったら思いもしなかった。
日本人は冷たいし。
恩を売ったところで何か返ってくるわけも無い。
でも、なぜか助けたいと思ってしまった。
「ねえ、離してやってくれない?その子、あたしと待ち合わせしてたの。」
「あ゛?何言って…」
バキッ
「いってぇ!」
「離してよ、ね?」
あたしは短気だから、すぐに手が出ちゃうんだ。