眠り王子×無関心姫②【完結】
手を差し出してみれば、恐る恐るといった感じで握り返してきた。
「…っと。」
引っ張って立たせたけど、軽い。
「…歩ける?」
「あ、はい…」
まあ、結果的には襲われてもないし怪我もない。
たぶん大丈夫でしょ。
あ、そうだ。
「ねぇ、この辺で行きやすい高校ある?」
春になったらあたしは高校に行かなきゃなんない。
…中学卒業してないけど。
ま、大丈夫かな?
「え、高校?えっと……なんか頭いいけど緩いとこならあります…」
「ふーん。」
じゃあもうそこでいいかな。
出来るだけ緩いとこがいい。
行っても行かなくても怒られないようなとこ。
「ありがと。んじゃあね。」
ひらり、と手を振ってその子から離れる。
「ありがとう、」と言う声が聞こえた。