《完》天使の微熱 〜アクマなアイドル〜
「賭けにあたしが勝っても
手放さないって。

さっき言ったあれは……」



まさかあそこだけは本当、とか。


そんなこと――ないよね?



「ん?

――フフッ、どうだろうね」



静かに立ち上がりながら、
玲斗が気まぐれな風の
ように囁く。



「とりあえずは撮影。

それを成功させなきゃ、
陽菜は芸能界引退なんだよ?

今は余計なことは考えずに
仕事に集中したら?」



「余計なんかじゃ――!」



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