青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
驚かされたのは俺達だけど、浅倉さんは構わず言う。
情報を流したければ流すだけ流させればいい、と。
情報はあくまで間接者を通した情報に過ぎない、一見不利な状況とも言えるがそれを逆手に取ってしまえば、こっちが優位に立てる可能性だってある。
情報で相手を揺さぶる事だって可能だ、と浅倉さんらしからぬ知的な発言。
「ですけど」チーム内に裏切り者がいるのですよ、探さなくていいんですか? 桔平さんの意見にも彼は動じず言葉を返す。
「いるって知っただけでも儲けものだ。それに無闇に犯人探しなんざしてみやがれ。チームは動揺して秩序が乱れる。
今、こうして動揺するのは俺達で十分だ。
頭の俺、副の涼、舎弟の蓮と桔平だけで今は十分だとおりゃあ思うぜ。
…荒川、おめぇ等のしようとしていた作戦は続行可能か?」
視線を投げてくる浅倉さんに、「どうする気だ?」ヨウは間を置いて相手の意図を尋ねる。
間髪容れず浅倉さんは返答する。わざと自分達の行動や情報を流させて、向こうの思惑通りにし、奇襲を仕掛けてくる相手を迎え撃つ、と。
ただしオトリ組と奇襲返し組の作戦を決行する場合、オトリ組は全面的に浅倉チームが。奇襲返し組は荒川チームが受け持って欲しいと意見した。
何故ならば盗聴者は自分達のチームにいる。
それは間違いない。
だったら盗聴者のいない荒川チームに奇襲返しの件は任せるのが適任だと浅倉さんは考えたみたいだ。
それは一向に構わないと生返事するヨウは、やや承諾しかねている。
「企てていた作戦は、ケイとタコ沢のタッグでなきゃなんねぇ。少数で動くのがベストなんだが…、こいつ等は決行早々危険な目に遭った。
チームのリーダーとしては、あんまこの作戦の続行は望みたくねぇ。危険過ぎる」
「ヨウ。俺達チーム内のみで伝達し合って行動すれば、多少の危険は回避できるんじゃないか?」
「確かにテメェの意見はご尤もだ、ケイ。
だけどな、既に楠本は俺等の動きで薄々何をしようとしているのか、いや分からなくとも自分達にとって好からぬことをしようとしていることは勘付いている筈。
次、行動に起こしてみろ。徹底的に潰されかねないぞ。俺はなるべく仲間を危険には曝さしたくねぇんだよ」
「分かるけど、でも多少のリスクは必要だろ? 今までの喧嘩だってそうだったじゃんかよ」
「私怨は喧嘩と暴力の境目を見失いやすい。下手すりゃテメェ等は病院送りだ」