青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
荒療治な喧嘩の終決ほど、途中の過程の基盤が弱い。
漏えいも懸念されるだろうし、ばれた以降のことを思えば危険な作戦だと案を出す際釘を刺してきた。
最悪、チームの中心達は仲間を信用していないのではないかと疑念を向けられる可能性があるから。
ぎりぎりの作戦だと脅されてしまったが、舎兄は二つ返事でその案に乗ると告げた。
喧嘩に対してリスクを負うのは仕方が無いことだし、今の状況では仲間達に真実を告げたところで動揺を起こすだけ。
だったら作戦を決行し、一刻も早く喧嘩を終わらせることに専念したい。
仲間を守れる最善の手ならば、それに縋りたいのだと舎兄はのたまっていた。
しかも、
『おりゃあ、仲間から恨まれたり、去られたり、見切られたりすることには慣れているしなぁ。ま、仲間を守れるならなんでもするさ』
―――…だったら自分だって、居場所を再びくれた仲間達に自分だって。
グッと握り拳を作り、蓮は恐怖心を捨てた。
脳裏の片隅では片割れ舎弟や副リーダーの忠告が蘇っている。
「無理するなら」「突っ走るなよ」「背負い込むなよ」「頼れよ」等など…、嗚呼、本当に好い仲間に巡り会えたものだ。本当に好い仲間に。
『自分が許せないなら、自分が自分を許せるようになるまで行動すればいいと思います。行動したモン勝ちですよ蓮さん』
二度も教えてもらった荒川の舎弟の言葉に蓮はささくれ立っていた感情が緩和した。
(そうだな、何もしないでウジウジ悩んでもしょーがないよな。―…だろ、ケイ)
何処からともなく聞こえてくるバイク音。
それは騒々しく徘徊しているようにも思える。
否、バイク音は近くで消え、代わりに「よう」元気してっか、と皮肉交じりの挨拶を掛けられた。
何処からともなく聞こえた声、けれどそれは聞き憶えのある声。
仲間達は聞こえてきた声を辿って、顔面硬直。
自分も一点を見つめて、相手をギッと見据えた。路地裏の一角、ビルの外付け非常階段に上って自分を見下げている不良がそこにはいた。