青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―



不良とつるんでるって時点で、あいつも“不良”なんだ。


 
そういう目で見る側は慣れっ子だけど、見られる側は初めてなもんだから…、わりと戸惑ってる。

あくまでわりとな。


ジミニャーノ達が変わらず接してくれているのが救いなのかも。


ジミニャーノ達にまで敬遠されちまったら、俺、完全に途方に暮れてただろうなぁ。ヨウ達が傍にいてくれてもさ。

今まで地味の平和平穏安穏に暮らしてきたからこそ、戸惑う環境の変化。


ま、それでもさ。


  
「あいつ等、俺の大事な友達ですから…、友達を巻き込みたくないって気持ちは理屈じゃない。そうでしょう?」

 
 
「ま、確かにな」表向きでも同調してくれる前橋は、「大体」と言った直後、俺の右頬を抓んで容赦なく引っ張ってきた。

「いひゃいっ!」

悲鳴を上げる俺に両口角をつり上げて、前橋は左の頬を抓んで引っ張ってくる。
 

「田山、お前、ハッキリ言って不良なのか、良い子くんなのか、分からないんだよな。中途半端に悪ぶったり、良い子ぶりやがって。
荒川達とつるんでるってのに、なんだ? この制服の優等生っぷり。風紀検査で未だに一度も引っ掛かったことないだろ?」


ご尤もです!

だって面倒じゃないっすか! 風紀のことでゴッタゴタ言われるの!


……てか、痛い、前橋…地味に痛いっ、手ぇ、手を放せって!
 

机を叩いてギブアップ宣言する俺に担任は一笑。

手を放して「悪かったな」再度詫びを口にしてきた。

それは事情を聴かず、俺に疑いを掛けたことへの詫び。


俺は頬を擦って前橋を見据えた。担任は視線を返して、スーッと目を細める。
 

「田山、覚えとけ。学校は世の社会のミニチュア版。甘いところは甘いが、冷たいところはとことん冷たい。お前は性格的に大人しいタイプだ。荒川達とつるんでいるのもいいが、お前の合ってる環境に戻った方がお前自身のためだ。半端な儘じゃ荒川達とつるむのは辛い」


半端って、俺の身形のことか?

そりゃ外見は地味で、だけど中身はちょい地味を卒業しちまった不良もどき…、だけど。
 
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