青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
「ナンデショウカ? 矢島サン」
「貴様、自分の身分を忘れているだろ? 貴様はあんのパシリだぞパシリ。パシリらしく使われろ。だから放課後、教室に来い」
「え゛?」
「噂によるとチャリが得意だそうだな。使ってやるから来い」
えぇええ、よ、呼び出されたぁああ?!
一応俺は荒川庸一の舎弟で、荒川チームの一員なんだけど!
あんたのパシリじゃないんだけどっ、てか、それ、まだ継続されていたんですか!
しかも使ってやるからとか限りない上から目線っ…、なんでこうなるよ。
「拒否権はないからな」ジロリと睨まれ、俺は空笑い。行くわけないだろ。
「ちょ、なんでケイさんに命令してるんっスか! アンタ、超偉そうだぞ!」
そして俺を愛してくれている男が腰を上げちまうというね!
キヨタ、俺がスルーしておけばいいだけの話だから座りなさい。
今はお食事中、座りなさい!
お前まで出てきたら、収拾つかなくなるんだぞ、この場!
「気にしてないから」
俺はやんわりと座るよう指示を促す。
でもキヨタはムムッと眉根を寄せて矢島を睨んでいた。
その眼が気に食わなかったのか、すかさず谷と川瀬が応対。
「あんちゃんを」「睨むなんて」「最悪」「最低」「「生意気だ!」」
とかなんとか…、どんだけお前等、兄貴ラブなんだよ。
「お前、何様でアンちゃんにガンを飛ばしてるんだよ! パシはパシ、アンちゃんに使われて当然なんだぞ」
「そーそー。あんちゃんに使われるパシは幸せ者。
ブサイク不良に使われるよりマシだろ。そのナリなんだ、パシリという名の星の下に生まれてきたんだろ。ははっ、ザマァ」
「け、ケイさんを使うと言ったなっ。パシリなんて言いやがったなぁあああ! 俺っちの兄貴をぉおお!」
「ま…またしてもヨウさんを侮辱ッ…、オレの兄貴に向かってっ! そっちだってな、ブサイク不良じゃないか!」
「モト、もっと言ってやれ! 俺っちも言ってやる!」
「「お前等の兄貴、ブサイク不良!」」
うぇーっだ。
モトとキヨタは舌を出して先輩舎弟二人に喧嘩を売る。
カチンのブッチン、黙っちゃいないのは矢島ラブの舎弟二人だ。