青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―


思えばあの時から。

日賀野大和に舎弟を誘われ、果敢にも一蹴したあの時から、いや初対面から差をつけられていた。


舎弟として何ができるか、思い悩む好敵手に対して自分は口先ばかり。


舎弟問題を起こしたあの日々だって、兄分に“必要”だと言われたというのにそれに応えられる動きなど何もしていない。

あんなに背を追い駆けているというのに兄分に追いつけない。

舎弟には差をつけられる一方。


キヨタが弟分・舎弟のことでうんぬん悩んでいたが、自分だって実は日々片隅で弟分のことで悩んでいた。いたのだ。


ケイが手腕がないと悩み、舎弟の立ち位置に悩むように、自分だって。


胸を占めるのは大きな悔しさ。

兄分の見よう見真似で指揮なんぞ取ってみたりしたが、結局周囲の助言に支えられ、自分の力では何もできない。

尊敬する兄分のように人を纏め、それを力にすることすらできない。


ダサい、限りなくダサい。


視界の端に小さな体躯が窓辺付近の壁と衝突しているのが映る。


「キヨタ!」


余所見をしていると、飛び蹴りが背中に決まり、モトは転倒してしまう。

ダサさに磨きが掛かったではないか、無様に転んだ自分の有様にモトは自嘲する。

踏まれる背中の痛みに眉根を顰めた。

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