青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
「ここの家主、実は十年前に自殺しているんですよ。
一応、物件にはなっているんですけど、やっぱり人が亡くなった家って売れませんよね?
かといって取り崩すのも不吉だと周囲から思われているらしく、ずっと放置されているんです。
そしていつしか幽霊スポットだと噂立っている古家になっちゃってるんですよね」
「まあ、付近には民家もなさそうだしな。あるのは小さな雑木林っぽい通りだけ」
「そうです。健太が仮に此処のどっかに閉じ込められているとしたら、健太が助けを求めても誰の耳にも届かないと思います。もし耳にしたとしても、噂を知っているなら」
「怖気づいて誰も助けには来ない、か」
ご名答だと俺は頷き、
「健太は窓がないと言っていました」
ということはあばら家の中じゃなく、きっと中庭付近にでもあるであろう…、俺は小さな物置を見つけてそこに向かって走る。
引き戸式の扉、レールにはブロックがご丁寧に置かれていた。
これじゃあ扉を開けようにも開けられない。
作為的だな。
俺はそれを退けて扉を引く。
中は真っ暗だった。
殆ど視界が利かない。
俺の感覚が確かなら物は無さそうだけど。
外界の差し込む光を頼りに、「健太」俺は相手の名を呼ぶ。
すると間も置かず、
「けいた…?」
奥の四隅から声が飛んできた。
微かにだけど向こうの身じろぐ動作で、俺はその人物を捉えることができる。
四隅で膝を抱えていたのは確かに健太だ。
携帯を握り締めて俺達の助けをひたすらに待っている健太を見つけた俺は急いで友達の下に向かう。
健太の前で両膝つくと、「ほんっと」心配掛けさせやがって、俺は両肩に手を置いてお前はバカヤロウだと罵った。
切れ切れに呼吸をする健太に、「だから早く」自分のチームに相談すればよかったんだよ、自分だけで解決しようとするからこんな怖い目に遭うんだと責め立てた後、無事でよかったと顔を歪める。