青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
「どんだけ心配したと思っているんだ。バッカ健太」
俺と同じ顔をする健太の身なりは、外傷が目立っていた。
顔の痣とか、額や右手の擦り傷とか、ついでに制服の汚れも目立っていた。
それでも健太は無事みたいで俺の姿を確認してくると、
「圭太っ」
ありがとう…、携帯を落として体にしがみついてくる。
んでもって声を押し殺して、いや我慢できず声を出して一気に恐怖心を涙に変え始めた。
おばか、お礼ならお前のリーダーに言えって。
ついでに後で謝って来いよ。
ちゃんと心配掛けたことをさ。
チームの皆にも、ちゃんと謝れよ。
それにな。
「言ったじゃないか。俺、ちゃんとお前を迎えに行くって。
感謝しろよ。俺、自分のチームに黙って日賀野チームと一緒に行動したんだから」
「ほら泣くなって」もう大丈夫だから、抱擁してやると健太の声がひときわ大きくなった。
こりゃ暫く落ち着きそうにないな、俺は苦笑して相手の背中を擦ってやることにした。
(―――…こっちは一件落着か。だがストーカー野郎の気配はない。んでもって)
ヤマトは出入り口付近に落ちていた硬貨を見つけ、それを拾い上げる。
「25セント硬貨か」
ストーカー野郎はアメリカ風情なのか、皮肉を零し、硬貨を握り締めた。
次いで、仲間に歩み、ケンの落とした携帯を拾い上げて画面を起動させる。
メールを呼び出し、受信ボックスに目を通していたヤマトはアドレス表記されたままの不可解なメールを見つけ、それに空メールを送ってみた。
が、すぐに戻ってきてしまう。
「メアドを変更しやがったか。てことは、どーせ電話しても拒否されるのがオチってところか。カスめ」
先手を打ちやがって、自分より姑息で卑怯の策士とはいい度胸だ。
どこぞのストーカー野郎様の挑発、受けて立とうじゃねえか。
自分達を舐めてくれた雪辱、仲間にしてくれた仕打ちは重罪だ。
ヤマトはケンの携帯を閉じ、怒気を瞳に宿らせたのだった。