青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
◇
「それじゃあ、健太。今日は魚住さんの家に泊まるんですか」
「ああ。アキラは何かとケンの世話を焼くお節介だからな。弟分に近い気持ちを抱いているし、今日は部屋に泊めるだとよ」
夜が深まる大通り。
俺は愛チャリを押しながら、日賀野と肩を並べて街中を歩いていた。
ネオンがぎらついている街並みを眺めつつ、「そうですか」俺は日賀野の話に相槌を打つ。
あれからの話。
健太は落ち着きを少しだけ取り戻したものの、散々な目に遭った傷心が響いているのか、今日はたむろ場に戻ってすぐに魚住の家に行くらしい。
何度もなんども大丈夫だって慰めたんだけど、なっかなか泣き止まなかったんだよ。
しょーがない、怖い思いをしたんだから。
あんなストーカー紛いなことされちまったら、そりゃ誰だって欝になるよな。
俺だったら引き篭もりどころか、高校さえ登校拒否しそう。
まだ健太のストーカー事件が解決したわけじゃない。
日賀野達に知れた以上、健太に纏っていたストーカーも自由に身動きは取れなくなるだろうけど、健太の恐怖心が簡単に払拭できるとも思えない。
早く解決することを願うばかりだ。
ちなみに俺は帰宅中。
健太が見つかった以上、もうたむろ場に赴く理由もない。
俺が手を貸すのは此処までだ。
これから先は日賀野チームの仕事であり向こうの問題。
健太には後日、個人的にちゃんと会って話したいと思っている。
今夜は仲間の傍で休むべきだと俺は考え、こうして帰っているわけだ。
で、日賀野がなんで隣にいるか。
それは俺にも謎いこと。
一応、気遣ってたむろ場に送るって言ったんだけど、拒否されたんだ。
ワケも分からず、今、俺は日賀野と帰路を歩いている。
複雑だな、日賀野と肩を並べて歩くのって。
トラウマ魂は疼くばかりだし。
「そういえば、なんで健太のメアド…」
手に入れられたんでしょうね、俺は話題づくりのために素朴な疑問を口にする。
家を特定することはできても、簡単にメアドや電話番号を割り出すことは難しいんじゃ?
その疑問に日賀野は簡単じゃないかと鼻を鳴らす。
知る方法なんて沢山ある。
例えば、健太の取り巻く身近な人からメアドを盗む。
それこそ携帯ごと盗んで赤外線で通信してしまえば早い話だと日賀野は、俺の携帯を見せ付けながら言った。