青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―


怒号を合図に向こうが動いた。
 

此方も浅倉チームが飛び込み、「シズ!」ヨウは副リーダーを呼んで一目散にトップに向かって走り出す。

リーダーの自分たちがやるべきことはただひとつ、チームの頭を討ち取ることだ。

遮るように現れる不良達に対しては、作戦通り率先してキヨタと蓮が出る。


圧倒的な人数の差に向こうは余裕の表情だが、二人もまた余裕の表情を浮かべて構えを取ってみせた。

「チビやれるか?」

蓮の問い掛けに愚問だとキヨタ、

「舐めないで下さいッス」

俺っちはあの人の舎弟だと言って地を蹴る。
それは頼もしい限りだと笑い、蓮も続いて地を蹴った。


ブンッと木材がバットのように振られてくる。

キヨタはしゃがんで、それを避けると下から上に顎を突き、まずは一人目を伸す。

転がった木材を拾い上げた蓮が、振り返って相手の鳩尾を突いた。

背後の不良に足払いをし、蓮は頭を下げる。


「食らえぇええ!」


飛び上がったキヨタが相手の肩に踵を落とした。

着地するキヨタは、皆ガタイがいいんでやんの、と舌を鳴らして羨ましい限りだと鼻を鳴らす。


「こんの地味チビ!」

何処からともなく聞こえた怒声、

「うっせぇよ!」

怒声を返して飛んでくる拳を手の平で受け止めると、その腕を引いて前方に投げ倒す。

背中を打ち付けてうめき声を上げる不良にキヨタは冷笑を零した。


「その地味チビにヤラれるなんてお笑い種だな。見た目と体躯で見てんじゃねえぞ。
そりゃあ地味くんに見えるかもしれねぇけど、これは自慢の俺っちスタイルだ」


「だってこれは」真横にいた不良に拳を入れ、「尊敬している」相手の側面から、「ケイさんの」斜め後ろに回り込むと、「スタイルだから!」上体を反らせて相手を投げた。


見事に天地投げが決まり、相手は体勢を崩す。

しかし一瞥も相手を見やることなく、キヨタは次はどいつだとガンを飛ばした。


「俺っちの兄貴を馬鹿にした罪は大きいぞ! ケイさんは例え弱くても、どんな苦痛にも耐えた! それをせせら笑ったお前等を俺っちは絶対に許さない! 絶対に!」


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