青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
困惑している俺に構わず光喜はプリントを流し読み。
透もこっちにやって来て、おはようと微笑んでくる。
「大丈夫? また一段とお洒落してきているけど」
ガーゼや包帯に目を向ける透のノリに、「え、あ、うん」俺は情けない返事をする。
やっべぇ。
全然ノリが出てこないんだけど。
一人で悶々している時は何かしら頭に出てくるのに、いざ会話になるとなんでなにも出てこないんだ。
ちっと前の俺なら何か返していた筈なのに。
二人とは、特に光喜とはよく悪ノリかましていた仲なのに。
俺に気遣っているのか、それとも気にしない素振りをしてくれているのか、二人は他愛も無い話題を吹っかけて来る。
それに相槌しか打てない俺。
情けなくて仕方がない。
どうしよう、こんなんじゃ皆の下に戻れないって。
気遣わせるし、何よりヨウに罪悪感を持たせちまう。
ただでさえ罪悪感を持たせちまっているのに。
どうしたんだよ、ほんっと。
日賀野にフルボッコされた時だってノリはかませただろーよ。
(ヨウがいなくて、ほんっと…、助かったかも)
もうちっと復活してから顔を合わせたい。
舎兄が学校に登校しないことを願いつつ、俺は会話の輪に入っていた。
もっぱら俺は聞き手に回っていたもんだから驚きだ。
この面子じゃ殆ど聞き手には回らないのに。
でも二人の存在は俺にとって凄く助かった。
常に不良と行動している俺だから、クラスメートからあんま声を掛けられないんだ。
上辺良い子ちゃん達にとって問題児達と関わらないよう努めるのが最大の自己防衛でもあるしな。
ヨウは分類的に日向男子で、どっちかっていうとクラスの中心人物になりそうだけど、なにぶん不良だし。
ヨウが中心人物にならなくても、クラスにはスポーツ抜群のムードメーカーがいる。だから皆、不良とは関わろうとしない。
その不良と関わっている俺とだって関わるのはご免被りたいところだろう。
一目で喧嘩してきたって分かる怪我をしているんだ。
余計関わりたくないだろう。