青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
だけど二人は隔たりなく声を掛けてくれるし、俺がこんな状態でも自分達で会話を広げて楽しませてくれる。
移動教室だって二人が当然のように手招きしてくれたから、避けられるような眼が飛んできても、わりかし孤独感には苛まれなかった。
片隅で利二もいたら良かったなぁと思った俺もいたり。
一年の時みたいにジミニャーノ同士でワイワイしたいかも…、昔を懐かしむ俺もいた。
べつに今が不満とかじゃなくて純粋に日陰時代だった自分が羨ましかったんだ。
結局その日、俺は一日中光喜や透の側に引っ付いていた。
ヨウ達は最初から最後まで学校に現れなかった。
移動教室の際、チラッとワタルさん達の姿も探したんだけど、皆して欠席しているようだ。
きっと土曜の補習を重視しなかったんだろう。この調子じゃ一年組も休んでいるに違いない。
心境は複雑だった。
此処でのらりくらり学校にいていいのかって焦る俺もいたし、隅っこでまだ会えないって落ち込むネガティブ田山もいる。
自分自身でもショックなのは調子ノリの「ノ」もかませないことだった。
これがあるなしじゃ行動も随分変わっていたに違いない。
全面的に気遣わせたくないって気持ちが強かったんだ。
ノリがかませれば、まだ気遣いも流すことができただろうに。
すぐにでもたむろ場に足を運んだのに。
戻りたいのに会いたくない。
なんだってんだもう、俺は悩める乙女か? 欝になる。
ええい、ネガティブは人から嫌われるんだぜ!
心中じゃノれるのに、表に出せないってなんでだい?!
田山はシャイになったのか!
へへーんっ、このシャイボーイ!
アウチ、ノリもイマイチ!
……なんか痛い子だな、これ。
帰りのSHRが終わり、俺は支度を済ませて教室を出る。
これから部活があるという光喜が肩を叩いて俺を追い越し、「んじゃな!」と手を挙げてきた。
「今日は寄り道せず真っ直ぐ帰れよ、お母ちゃんとの約束だぜ!」
一笑してくる光喜に俺は苦笑した。馬鹿、お前はお父ちゃんだろうよ。いつの間に性転換したんだ?
「圭太くん」
透が肩を並べてきた。
視線を流す俺に綻んで途中までいいかと聞いてくる。
構わないよ、どーせ俺は帰宅部だから時間はあるさ。
と、心中で呟いた。