青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―


これから美術室でコンテストに出す油絵を仕上げると話してくれる。

油絵か、俺には未知な世界だ。凄いなと相槌を打つ俺に笑みを零す透は、「圭太くんは」これから皆のところに行くの? と質問してきた。

透の指す皆のところに、俺は誤魔化し笑い。

あまり触れて欲しくないところだ。

親切心があれば流してくれるであろう俺の反応、でも透は不親切らしい。


「行かないの?」


病院かな? と素朴な疑問を口にした。

何も答えない俺に、「何があったか分からないけどさ」荒川くん、君がいなくて凄く荒れていたんだよ、透は静かに肩を竦めた。


「そりゃもう、教室中が殺気で溢れていてね。利二くんがいなかったら、少しの物音でも爆ぜていたんじゃないかって思うほど荒れていた。
また喧嘩したんでしょ? 何があったか詳しいことは分からないけど、圭太くんがまた学校に来れて良かったと僕は思っているんだ」


だって圭太くんがいないと静かだしね。

「寄らないなら真っ直ぐ帰るんだよ」

お母さんとの約束だから、一笑し、透はじゃここでと手を振ってくる。

手を振り返す俺は、心中で思った。

だからお前はお父さんだろ。
揃って性転換したのか?


息をつき、俺は階段を下りて昇降口に向かう。

そこで靴を履き替え、速い足取りで駐輪場へ。
 

「あ。しまった。チャリじゃなかったんだっけ」
 

帰りは徒歩だ。

気だるいと思いながら校舎を出た俺は正門を過ぎり、一旦足を止める。


たむろ場に行ってみようかな。

グズグズ考えてもしょうがないし。


「倉庫にいるかな」


足先を向けて一歩を踏み出す。

でもすぐ元に戻して帰路を歩くことにした。

二人に言われたもんな。真っ直ぐ家に帰れって。


だから今日はおとなしく…、って、完全なこじ付けだろこれ!


(うあぁああ! 俺はヨウの舎弟だし、戻るって言った。言ったのに!)


現実の俺はどうだい?

見舞いに来てくれるヨウ達に狸寝入り。学校に行ったら会いたくないと思い、今は今でたむろ場に行くことを恐れている。

どんだけヘタレ田山だよ!

ワタシ、好きな人に会いたいけど怖くて会いに行けないの、とかウッジウジしているヒロインと同じ心境だよ!
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