青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
ハジメの問い掛けに俺は肯定して、自分の監禁されていた倉庫を探したいのだと意見した。
すると真っ向から反対してくる人物が出てきた。
それは弥生…、じゃなく俺の舎兄。まさか兄貴から反対意見を頂戴するとは思わなかったために、俺は意表を突かれるしかない。
「な。なんで」相手の心意を尋ねると、「なんでもだ」俺は許可しないとヨウは突っぱねてくる。
えぇええ、で、で、でもさ。
狼狽する俺は、どうしても思い出したいのだとヨウに直談判。
絶対駄目だと物申すヨウは、まだ時期じゃないと俺の気持ちを優先する発言をしてきた。
そ、そりゃあ思い出すのが怖いって気持ちはあるけど逃げていてもしょうがないじゃんかよ!
早く不良狩りやら里見達のことだって終わらせたいし!
終わらせないと平穏も何も畜生もないし!
「ヨウ。俺はべつにひとりで探そうとは思っちゃないって! なあなあ、リーダー!」
「テメェさ。自分のだいっじなチャリ、失くしてるだろうが。
今、徒歩通だろ? チャリはねぇ。怪我はしている。しかも狙われた身の上ときた。少しは状況を見ろ。ついでに手前の体の具合も知っとけ」
別に倉庫をすぐ探さなくたっていいだろ? 素っ気無いヨウの意見にぐうの音も出ない。
そりゃ、そうだけどさ。
そうなんだけどさ。
そんな言い方ないじゃんかよー!
俺、超勇気を振り絞って話題を振ったのにぃいい!
田山は勇気を120パーセントにしてがむばったのにぃいい!
ぶう垂れる俺に、この話は仕舞いだとヨウが打ち切ってしまう。
ちぇーっ、なんだよヨウの奴。
不機嫌になる俺に苦笑する弥生が、「ヨウの言うとおりにしようよ」まだ療養が必要だと宥めてくる。
むくれ面の俺は始終へそを曲げるばかりだった。
こうして途中から機嫌を損ねて昼休みを過ごす俺だったけど昼休み終了後、教室に戻る途中に立ち寄った男子便所でヨウから話を吹っかけられる。
「今から抜けて探しに行こうぜ」と。
「へ?」間の抜けた声を出す俺に、「あそこで行くつったら」全員行くと言い出しそうだったからな、ヨウは微苦笑を零す。
「なるべく動きは小さい方がいい。
それに俺はテメェの舎兄だぞ。どういう気持ちで話題を振ってきたかくれぇ分かる。五時限目始まったら、早速行動開始だ」
「じゃ、じゃあ、あれはわざとだったんだな。
ヨウ、お前、変に芝居なんて打つなよ。マジでへそ曲げちまったじゃないか! 俺超ダッセェ!」
「名演技だろ?」