一途に IYOU〜背伸びのキス〜


「ホントごめん! あー、俺ホント何やってんだろ……。
どうしよ……うわー、ごめん!」
「……」
「あー、もう、ホント……、本当にごめんっ!」


目の前の櫻井が、あたし以上に動揺してたから。
それを見てるうちに、なんでだかおかしくなってきちゃって。


「どつき回してくれていいから!」


色んな感情ごっちゃまぜで、ぐつぐつ煮えてた気持ちが、いつの間にか落ち着いてた。

人間、自分以上に焦ってる人を見ると、逆に落ち着くとか聞いた事があるけど。
それ、本当なのかも。


頭を抱えたり、何度も頭を下げたり忙しい櫻井。
それを見て、ふっと笑うと、櫻井は申し訳なさそうな顔であたしを見た。

眉毛が漢字の“八”みたい。

顔全部でっていうよりも、身体全部で反省してるのが見て取れた。







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